親知らずの抜歯後の注意事項についてです。
術後の創部不快事項を軽減するためにも下記注意事項についてご理解ください。
・術直後3〜4時間の飲食禁止について
術後3〜4時間麻酔が著効しているため口唇、頬粘膜、舌を噛まないように注意が必要となります。
暖かい飲み物や飲食は火傷や上記部位の誤咬の原因となります。
術後麻酔が切れるまでは飲食は控えてください。冷たい飲み物の飲水は問題ありません。
・手術当日の運動、飲酒、入浴の禁止について
抜歯後周囲組織の治癒として抜歯窩に血が溜まり血餅ができることで治癒が起こります。
当日の運動、飲酒、入浴は再出血のリスクがあり治癒を悪化させる可能性があるため控えてください。
入浴はシャワー程度でお願いします。
・術後出血について
術後数日軽度の出血があります。気になる際にはガーゼを20分程度咬んで圧迫止血をしてくだい。
血の味が気になり頻回にうがいをする患者様がいますが、頻回のうがいは血餅の脱落や創部周囲の
出血による治癒不全の原因となります。 術後の過度のうがいは控えてください。
・術後創部の腫脹について
周囲組織の腫脹が2〜3日続きます。腫脹の改善はおよそ2週間程度かかります。
腫脹の程度は手術侵襲と個人の免疫の反応により差があります。
また、頬粘膜の腫脹のため術後 軽度の開口障害、誤咬のリスクがあります。
・術後疼痛について
術後の腫脹と同様に疼痛の閾値は個人差がありますがほとんどの場合、内服薬にて疼痛のコントロールが
可能です。疼痛のピークは2〜3日程度です。1〜2週間程度でほぼ改善します。
・術後感染予防について
術後予防的に抗菌薬の投与を行います。術後48時間の抗菌薬投与を行います。
アレルギー症状等がある場合を除き全て処方薬については全て内服してください。
・術後口腔内清掃について
術後創部の感染予防のため日頃からのブラッシング及び含嗽をお願いします。
創部の腫脹と疼痛が伴うため可能な範囲で行ってください。
含嗽については術後翌日からお願いします。
・術後喫煙について
術後の喫煙はタバコによる血管収縮と吸引を繰り返すことにより抜歯窩の血餅の脱離の原因となります。
血餅が脱離すると抜歯した周囲の骨の露出が起こります。喫煙による血液供給の減少に伴い感染が
起こりドライソケットと呼ばれる治癒不全が起こります。 術後の喫煙は禁止です。
・術後上顎洞穿孔のリスクについて
上顎の親知らずは上顎洞と呼ばれる鼻の横の空洞と近接している場合や歯根が飛び出ている場合が
あり術後過度に鼻をかむと上顎洞と口腔が交通する場合があります。
(自覚症状として飲水時に口腔内に水が漏れる感覚があります。)
上顎洞へ口腔内細菌による感染が起こると上顎洞炎を併発するリスクがあります。
・頤神経鈍麻のリスクについて
下顎の親知らずを抜歯した際に”おとがい”と呼ばれる下唇から顎先にかけて痺れが生じるリスクがあります。
術後数時間経っても痺れが継続する際には追加の治療が必要になる場合があります。