第四弾のその1の前回は自己ケアの意義とその重要性についてお話ししました。
その2の今回は、自己ケアの具体的な方法についてお話ししたいと思います。
歯周病を防いだり、進行を妨げる為のポイントは、
歯周ポケット内の細菌数を出来るだけ少ない状態で保てるかということです。
自分自身の持つ菌に対する抵抗力よりも細菌数が多くなってしまうと
発症してしますのです。
ですから、常に歯周ポケット内の細菌数を少ない状態で維持できれば問題は解決されます。
それでは、歯周ポケット内の細菌数を少ない状態に維持する為の
ブラッシングの方法をご説明します。
歯磨きというと咬む面を磨くとか、歯の側面を磨くといったことが
イメージされるかもしれません。
しかし、そのような磨き方は歯周病に対する歯磨きとしては、適切といえません。
歯周病に対する歯磨きは「歯を磨く」というよりも、「歯と歯肉の間の溝に毛先を入れる」と
いった感じです。
○歯に45度程度の角度でブラシを当て、毛先を歯と歯肉の溝にきちんと入れます。
きちんと入ると、毛先の入っている辺りの歯肉が毛先の圧で白っぽくなります。
○毛先がきちんと入った状態で、歯ブラシの頭を小さく振動させます。
ゴシゴシと大きく揺すり磨くのではなく、入った毛先を振動させて細菌を掻き出し
酸素を取り込むイメージです。
(以前お話ししたように歯周病菌は嫌気性菌ですので酸素を取り込むことは効果的です。)
○1つの歯でも、外側と内側、それにお隣の歯との間と、毛先を当てる場所は沢山あります。
それぞれの歯の周りをぐるっと一周分、全ての箇所にあてます。
○上の歯下の歯共に、奥は歯ブラシが届きにくく、磨き残しやすい場所です。
常に毛先がポケットに入っているかを確認しながら進めます。
毛先が入っているかは、圧を感じ取る感覚と、歯肉の白くなる様子などで確認します。
ご自分の感覚に自身のない方は手鏡で確認しながら歯ブラシをされるのも効果的です。
慣れると感覚だけで上手に当てられるようになる方も。
感覚を覚え、コツを掴めば適切に毛先が当てられます。
歯ブラシの他にも、デンタルフロスや歯間ブラシなどケアグッズはたくさんありますが
基本であり、もっとも重要な歯ブラシの方法についておはなししました。
ご自宅における正しい自己ケアは、歯周病予防や進行阻止の為に欠かすことが出来ません。
お話ししたブラッシング法は難しいものではなく、慣れとコツを掴めば
習得できるものです。
まずは一度歯科医院でブラッシング指導などを受けてみるのも良いと思います。
上記のような手順で歯磨きをするととても時間がかかってしまうと思います。
しかし、食事の度にそんなに時間は掛けていられませんよね;
ですので1日に1回で良いので上記のような「歯周ポケットに対するブラッシング」を
実践されてみてはいかがでしょうか。
毎日続けていくと、朝起きたときのお口の不快感やベタつきが改善されたり
歯肉から出血しなくなるなど変化が現れるはずです。
生涯にわたり、ご自身の歯でおいしくお食事をされるために、毎日コツコツと
続けてみてはいかがでしょうか・・・。
これを書いている私自身も毎晩時間を掛けてケアに勤しんでおります;;笑