レントゲンのお話

歯科治療を行う際、レントゲン撮影はとても重要な意味をもっています。

例えば、被せ物の下にある虫歯や、歯根の状態、または骨の状態等は、口腔内を拝見しただけでは当然わかり得ません。
しかし、レントゲンを撮影することにより上記の部分など、肉眼では確認することの出来なかったところの診断が可能になるのです。

ところが、レントゲン撮影にはリスクもあります。
ご存じの通り、撮影時に使用される放射線による被爆です。

では、歯科用レントゲンではどの程度の放射線レベルなのでしょうか。

放射線量は Sv<シーベルト> という単位を用いて表されるのですが、
歯科用の小さなレントゲン撮影1回につき放射線量は0.02~0.05Sv
口腔内全体の撮影できる大きなレントゲンでは1回に約0.04Sv前後です。
日本で日常生活を送ると、1日に1.5Sv前後の放射線を浴びるといわれていますので、
歯科用レントゲンは1回で自然界において1日に浴びる量の100~50分の1以下といえます。

それに加え、日々放射線の照射を受けている我々の体には、放射線への耐性が
生まれています。
その様な耐性をもつ人体において、歯科用レントゲン撮影で浴びる放射線量は
安全範囲内なのです。

また、放射線による人体の他の部位に対するリスクを軽減させる為に
撮影装置の照射野を被写体の有効範囲内ギリギリに絞り、
放射線に弱い臓器である眼球や甲状腺への放射線の飛散を出来るだけ避け、
体に鉛のエプロンをお掛けするなどの事をしています。

このように、レントゲン撮影には様々な人体への配慮がなされているのです。
しかし、放射線が人体に悪影響である事は変わりません。
「レントゲン1枚だから、」等と思うことなく患者さんのリスクを考え、1回ごとに気を引き締めて!と心がけております。
精度の優れた撮影でより良い診療の一端をと、意識高く励んでまいります。

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