糸を巻いて型を採る

糸を巻いて型を採る治療の質について、削り方については前日書きました。
歯の型の採り方についてステップをおって解説します。

型を採る前の段階で歯肉に腫れや出血などの炎症症状の一切が有ってはいけません。事前に歯周病の治療をすましておく必要があります。またこの間に装着している仮の歯もピッタリと適合の良いものを装着しておかないと、仮歯が原因で歯肉に炎症が生じていまいます。仮歯が原因の歯周病を起こさない様に時間をかけて作ります。

型を採るためには、まず最初に歯と歯肉の境目の溝に専用の細い糸を巻きます。繊細な器具を巧みに用い、歯の周りに。ぐるりと一周糸を巻いていきます。この事により、歯肉が無理のない範囲で少し広がるため、周囲をよく観察する事が可能と成ります。削り方に修正が必要で有れば、この段階で微調整を行います。

糸を巻いて型を採る次に新たな糸をさらにもう一本歯肉の溝に慎重に入れていきます。このとき糸は上から押し込むのではなく、専用の器具で転がしながら、滑り込ませるようにして、出来るだけ歯肉に圧をかけないように入れなければなりません。さもないと歯肉のラインに変化を生じさせてしまいます。もう一つの注意事項として、唾液で濡れ無いように乾燥させながら行う事もポイントです。

さあ、印象材と呼ばれる型を採る材料を流します。今日では、精密印象にはシリコン系の印象材が良いとされています。しかしシリコン印象材は水分を嫌うため、良く口の中を良く乾燥してから行う事が重要です。そのため、術者に口腔内の介助者と印象を準備する介助者の3人がかりです。

印象材を流す直前に先ほどの2本の糸の1本を手早く除去し、タイミングを見計らって丁寧に印象材を流し込んでいきます。このときの全員の息がピッタと合った絶妙なチームワークで行わないと、高精度の印象は行えません。
息を止めながら行う張りつめた緊張の瞬間です。

印象の結果はまた後日….
(図、小川歯科医院HPより改編)  

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