日本歯科評論

日本歯科評論5月号に論文を発表しました。

インプラント治療におけるインフォームドコンセントへの対応
日本歯科評論  Vol.65 No.5;115-124、2005. 小川洋一、奥島孝康

この論文では、歯周病が原因で歯を失った方に、インプラント治療をする場合の考え方を中心に考察しました。インプラントの成功率の統計、他の歯科治療の成功率を調べた研究者の統計を調べた結果を考察しました。世界各国に比べ、日本における根管治療の成功率が、かなり低い事が統計的データから解りました。残念な事です。

日常臨床で経験する事は、抜歯に至る原因に、繰り返し根管治療を行った歯の、歯根破折によるものが多い様に感じます。日本の根管治療の成功率の悪さは、日本の歯科医療の仕組みや習慣が起因するもがあると思います。歯科医療の制度が出来た頃と現在では、医療を受ける側も、医療を提供する側も、求める事や価値観が変化しています。制度だけが進化しないまま現在に至ってしまったのです。

この論文の中では、インプラント治療を行うにあたっては、歯を失った部分だけ見て治療を考えてはいけない事を繰り返し述べました。
インプラント治療を行うにあたって、考えなければならない事は、口全体から捉えた治療計画の立案が重要で、歯を失った部分だけを治しただけでは、長期的に見て良い結果を得る事が出来ません。

たとえば、歯を失っ部分にたいして、インプラント治療はゴールではなく、治療の一部分に過ぎません。歯を失った部分の咬み合う歯、反対側の歯、それぞれのかみ合わせ。治療が施されている歯の根の治療、被せ物の精度。全体の歯周病。などを歯をトータルに診査診断する事。
そして何より、歯を失った事によって生じるたであろう、顎の咬む位置の変化を修正するための、診査診断、その具現化が何よりも大切です。

これらの事は、しっかりとした義歯の治療にも当てはまります。誤解のない様にもう一度書きますが、歯がない部分にただ入れた義歯ではなく、きちんと全体を考えた義歯です。
すなわち、インプラント治療の考え方は、義歯の治療の延長上にあるのです。

インプラントを埋めするための、外科的な部分だけなアピールされがちな、インプラント治療ですが、上記の事項が、外科と等々に重要な事項であり、同等に難しくもあります。 

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