インプラント治療の結果を美しく仕上げるためには、精巧で緻密なステップを積み重ねるような治療が必要となります。
そして、しっかりとした診断のもと、正確な治療技術を駆使して治療を成功に導かなくては成りません。
前歯部のインプラント治療を審美的に成功させるためには、インプラント頚部周囲の硬組織、軟組織のマネージメントを行い、生物学的に理想的な位置と解剖学的に妥当性のある位置を一致させ、三次元的に正しい位置に、インプラントを埋入する事にある。
埋入されたそれぞれのインプラント周囲の生物学的幅径を考え、それぞれが距離によって影響し合う事による骨の形態を考える事が重要である。よって前歯部に二本のインプラントを埋入するに際し、インプラントーインプラント間の距離は3mm以上ある事が必要で、インプラントー天然歯の距離は1.5mm以上必要とされている。
ここで大切な事は、これらの骨の幅径はインプラント周囲全週で考えなければならない事で、レントゲン的に診断出来る近遠心的方向のみならず唇舌方向の幅径、特に唇側にインプラント辺縁より1.5mm以上の十分な骨の幅がある事が望ましい。また、統計的にはインプラントーインプラント間の骨頂から歯間乳頭の頂点までの垂直的距離は3.4mmと報告されている。
審美的な歯冠形態を得るためには、上記の数値を既存の骨形態から診断するのではない。インプラントの埋入を、診断用ワクシングによって求められる、獲得したい歯肉形態から、3mm根尖側に位置するような、埋入位置を想定し、その際の骨形態を診断しなければならない。この時点で、インプラント周囲にこれらの条件を満たすだけの解剖学的妥当性を見いだせなければ、インプラント埋入手術以前に、またはインプラント埋入時に、骨増多術を行い、審美的歯肉形態が獲得出来るよう、妥当性のある骨形態に改善する必要がある。
上記の事を適切に診断して行くには、欠損部位に理想的な歯肉形態を求め、それを具現化するに必要なインプラントの埋入位置を診断する。その後、現状の解剖学的骨形態を把握し、その差異を水平的成分、垂直的成分の二つに分けて、そのそれぞれを定量的に診断し、それぞれの欠損状態を改善するにため、最も適した臨床術式を選択する事が必須となる。
「前歯部2歯欠損を審美的にインプラント修復するには」
デンタルダイヤモンド、審美修復 第30巻第10号 78-79、2005 小川洋一
より改編
つづく………>>>
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