緊張の中で型を採る材料を歯の周りに流し込みました。完全に材料が硬化するまでの約10分間、動かないようにじっとしていなければなりません。硬化した後、型を外します。ピタリと顎にはまっているため外すのに一寸苦労しますが、これまで書いてきた事の結果はいかなるものでしょう。
ここに上げた写真は削った歯の一本分の写真です。もちろん型は、一本の場合でも全体のバランスを考える必要が有るため、右から左まで全ての形を精度良く採る必要があります。初めて見るとなかなかイメージしづらいと思いますが、写真の下の部分が歯の部分、上3分の1に線になっている部分が、削った部分と削らなかった部分の境界線になります。立体的にイメージすると実際に凸の形は、型では凹になります。この写真は丁度上下を逆にして凹んだ部分が実際の歯の形となります。3Dでイメージできますか?
では、何処が最も重要かと言えば、この写真で、上3分の1にある一本の細い線に見える部分の精度です。この部分を顕微鏡で拡大した写真が次の写真です。大きく見ると境目のシャープさが確認出来ると思います。下の写真は、拡大率を比較するために、同じ部分に髪の毛を置いた状態の写真です。髪の毛の太さよりも削った境目が細かい事が確認出来ると思います。
ここの部分を限りなく一本の線になるように精度良く削る事、削った状態を精度良く型を採る事の2つが今回の治療ステップには大切な要素です。なぜならどんなに優れた材質や美しいセラミックを用いても、この部分が不正確であるならば、それを超える治療精度を提供する事は、絶対に出来ないからです。この部分の精度が劣っていると不適合な冠を装着する事になります。やがて冠を装着した後に、新たに虫歯が発生したり、歯周病の原因になったりとトラブルの発生の原因になります。
(図、小川歯科医院HPより改編)
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