クラウン・インプラントレシオ

インプラントの失敗の原因を、感染と負担荷重と書きました。感染には術中の感染と、術後に歯周病への感染が考えられる事を書きました。

今回は負担荷重について考えたいと思います。負担荷重に関しても2つ考えられるでしょう。
まず、表題でありますクラウン・インプラントレシオ。
それとインプラント埋入の本数や、配置、角度らからくる、力学的設計です。

クラウン・インプラントレシオは簡単に言うと、インプラントに接続されている歯の長さと、骨の中に埋め込まれているインプラントの長さの比率を言います。インプラントの歯が1cmの場合1cmのインプランが埋め込まれているとクラウン・インプラントレシオは1となります。インプラントの歯が2cmで。1cmのインプランが埋め込まれていると0.5となります。

インプラントの応力の問題から考えれば、力は咬む力はインプラントの歯を通じて、骨の中のインプラントに伝わります。このときインプラントと骨接合が生じているインプラント周囲の骨の受ける歪み応力は、歯が長ければ長いほど、大きい力で伝われます。またインプラントの揺さぶり応力に対しては、短ければ拮抗力に乏しく、長ければ拮抗力にたけていることになります。

ここで上記のことから考えなければならないことは、歯の長さと、インプラントの長さの比率と言うことになるでしょう。これなの比率、クラウン・インプラントレシオが1以上理想的には1.5程度あることが負担荷重を回避する点から望ましいと考えれられます。
すなわち、成功したインプラントを長い期間良好に機能させるための手段、オッセオインテグレーションの獲得ではなく維持を考えた場合、インプラントの長さは重要な要素と考えられます。

これらの事から考えると、インプラントの埋入計画における長さの決定は、まず、必要と考えられるインプラントの歯の長さを事前に診査診断し、その歯を長期間支える事の出来るインプラントを選択することが重要です。

上顎臼歯部は骨の厚みが足りないため、骨を移植した後にインプラントを行う方法が行われるようになりました。骨増多術を行う際には、クラウン・インプラントレシオを考え、力学的に妥当性のあるインプラントが埋入出来るよう、必要十分な骨を移植することが、インプラントを長持ちさせるためには重要な要素となります。
移植手術は、インプラントが埋入出来るようにするための手術ではなく、インプラントが長期間良好に機能するための手術なのですから……..。

上顎洞底挙上術に際し、移植する骨の採取部位は、以前は下顎などから採取が行われていましたが、術後の侵襲が大きい事から近年では、膝付近の骨(腓骨)からの採取が行われる様にないました。このことにより、採取後の侵襲が小さいばかりか、十分な量の骨の採取を行う事ができ、骨移植によって増やすことのできる骨の量も増え、良好な結果が得られる様になりました。

また、移植手術にご自身の血液から高濃度の血小板を抽出しより成功率を高める術式が併用されるようになりました。多血小板血漿、PRP(Platelet Rich Plasma)と呼ばれ2001年頃から日本でも臨床応用されるようになり高い成功率を上げています。

インプラント埋入診断については  つづく…….>>>

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