インプラントの長さと力学的関係を前回述べてきました。
今回は埋入の配置に関して考えてみたいと思います。
インプラントを長持ちさせるために感染と負担荷重をしっかりと管理することの重要です。
負担荷重に関しても2つ考えられるでしょう。
前述のクラウン・インプラントレシオ。
今回は、インプラント埋入の本数や、配置、角度らからくる、力学的設計です。
インプラントの治療計画を考えるに当たり、埋入する本数はどう考えればよいのでしょう。現在、インプラントが咬合の負担をどの位支えることが出来るのかは、現在のところ明確なガイドラインが打ち出されてはいないのが現状です。インプラントを長期間良好に機能させるために、負担荷重を起こさせない事が重要であるならば、人工の歯根であるインプラントは失った歯1根に対し、1本のインプラントが理想的でしょう。しかし上顎に置いては前歯、小臼歯、下顎小臼歯ではインプラントと天然歯根の幅径が近似しているため、この原則でインプラントを埋入する事が可能です。
しかし上顎臼歯においては第臼歯2本で6本、下顎臼歯においては第臼歯2本で4本の歯根の欠損となりますが、スペースの関係から3本のインプラントの埋入が理想的ではないでしょうか。
しかし、実際には色々なケースが考えられるため、そのそれぞれで理想的な埋入本数を検討し、臨床的判断を行うことが大切です。しかし咬合負担から考えると臼歯部分でのブリッジタイプの配置や、ましてや、カンチレバーと言ってブリッジの相手方のないタイプ、いわゆる持ち出しタイプは咬合負担から考えてあまり望ましくないと考えられます。
埋入角度は咬合力に対して直角であることが、インプラントを支える周囲の骨に対して最もストレスのない状態でしょう。埋入の角度がずれればずれるほどインプラント周囲の骨に対する応力は、骨の破壊応力として働く可能性があります。
従って、埋入診断にあたっては、十分なシミュレーションを行い最も力学的負担の少ない状態を診断し具現化することが大切です。
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