インフォームドコンセント

歯科専門誌の、日本歯科評論の5月号が今月末に発行されます。
以下の書き出しで。インプラント治療におけるインフォームドコンセントについて考察した論文を書きました。

歯科界を取り巻く環境は大きな変革の時代となり、医療を受ける側と提供する側のともに変化し、新たな方向性へ進んでいくのでしょう。

-発表論文より一部抜粋-

歯科治療の多様化が進み、多くの患者は、自分の納得のいく医療を受診したいと望む様になった。しかしそれとは矛盾し、患者の大部分は、どの治療方針が自身の望む治療であるかを、具現的に伝える事は不可能と言えよう。そこで近年クローズアップされたのが「インフォームドコンセント」であり、「科学的根拠に基づく治療」と言える。インフォームドコンセントは簡単には説明と同意と訳されているが、我々医療人の行う説明とは、その多くが、科学的根拠に基づいた説明でなければならない。

今日多くの医療現場に於いて、歯科治療の説明には大きな差異が生じている事は認めざるを得ない。歯科治療に際し患者との間に不信が芽生えるはじめは、納得のゆく説明が成されないままに治療が進行し、患者に不利益が生じる事から生まれる事が多いのではないだろうか。
すなわち、インフォームドコンセントにおける説明と同意は、いわゆる説明に対し患者の理解が行われた後にしか真の同意は得られず、見かけ上の同意は、何かのきっかけで不信感という、医療現場における最悪の結果を引き起こしかねないのである

国際的にはWHOでは1994年ヨーロッパにおける患者の権利の促進に関する宣言として「全ての人は、自己決定の権利を有する。患者は、容態に関する医学的事実を含めた自己の健康状態、提案されている医療行為及びそれぞれの行為に伴いうる危険と利点、無治療の効果を含め提案されている行為に代わりうる方法、並びに診断、予後、治療の経過について、完全な情報を提供される権利を有する。」

また世界医師会では1995年に患者の権利に関するリスボン宣言改訂として「患者は自己決定の権利、即ち、自己に関する自由な決定をする権利を有する。医師は患者に対して、その決定がもたらしうる結果についての情報を提供する」と定義している。

これらの事から我々医療従事者の行う「説明」とは患者自らが治療法を選択できるまでの教育を示し、「同意」とは患者が自ら選択した治療法を意味すると考えられないではないだろうか。

論文の一部を抜粋し掲載。

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