歯科学術誌のデンタルダイヤモンド12月号に論文を発表しました。
「前歯部における抜歯即時埋入インプラントを成功に導くために
―各治療ステップにおいて考えなければいけないことは何かー」
と題し、前歯部のインプラント治療における抜歯即時インプラントの治療術式の考察を行いました。
論文中には、診査診断の基準や、各治療ステップにおける注意点を書きました。抜歯即時インプラントは、学会でもその術式は広く認知され、スタンダード化されている感が有ります。しかしこの論文では他ではあまり論じられていない点を書いたつもりです。
「インプラント治療の診査診断において、必ず考えなければならないことは、なぜ歯を失うに至ったかである。この診査診断がなければ良好な長期予後の獲得が出来ないからである。たとえそれが前歯部1歯の症例でも、一口腔単位での診断し、全体の咬合状態を注意深く観察する必要がある。……中略…
…….
そこで前歯部インプラントを考える際に、必ず臼歯部咬合の安定の是非を診断する必要がある。もし臼歯部に不良な歯冠修復が装着や、不適切な咬合関係が認められる場合は、その部位も含めて治療計画を考える必要がある。…」
すなわち、たとえ一本の歯をインプラントにする場合であっても。なぜその歯が抜歯に至までの原因を、注意深く診断する事無く、短絡的にインプラント治療を行ってならないと書きました。
また…
「インプラント治療は欠損補綴としての手段として捉えるべきである。しかし昨今はインプラント治療そのものが目的のように論じられ、欠損補綴における一口腔単位の診査診断の重要性が軽んじられている風潮に、疑問を感じるのは著者だけではないであろう。」
とも書きました。
インプラント治療とはしっかりとした歯科治療を行う過程で行うものです。歯が無いところにインプラント、その治療いくら?的なインターネットの流れであったり。いかに早く簡単に的な流行であったり。
もっと歯科治療を大切に、そしてきちんと行う事の診断であったり、治療の計画の必要性を、国民に向けて発信しなければ、近い将来インプラント治療が国民から不信の目で見られるようになってしまうでしょう。
それがなかなかできない事がもどかしいのですが、自医院の患者さんには、お伝えしているつもりです。
話がタイトルからずれ始めたので戻します
一つ、新しい試みをしました。
ブログタイトルにもあるように、動画の配信をしています。
通常論文には治療ステップの解説写真が貼付されます。本文と写真で理解を深める訳です。
今回は、インプラント埋入術式の解説を、インターネットを使った動画を配信を行い、インプラント手術ステップを詳しく解説しています。
ちょっと電子出版的な試みで…
今回の提案を快諾していただいた、編集者に心から感謝致します。
今後とも、色々な事に挑戦してゆきたいと意欲満々す。
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